木は茶色いのに、紙はどうして真っ白?

紙はなぜ白い 日常

ざっくり3行まとめ

  • 木が茶色に見えるのは「リグニン」の仕業。紫外線で酸化して“こげ茶フィルター”を形成!
  • 製紙ではパルプ化→漂白でリグニンを排除し、無色透明なセルロース繊維だけを抽出!
  • 仕上げに蛍光増白剤をチョイ足しして「光って見える白さ」を実現。もはや化学マジック!

紙は“木の生まれ変わり”だった!

木材チップ 🪵 → 白いパルプ → 真っ白なコピー用紙 📄

この劇的ビフォーアフター、実は“リグニン”をどう処理するかがカギなんです。

🔗 紙と同じく、「水が凍ると浮く」という意外な現象も面白い → 氷が水に浮く理由とは?

木の茶色の正体は“リグニン”だった!?

木を構成する主な成分と色への影響はこれだ!

成分役割色への影響
セルロース細胞壁の構造材(繊維)ほぼ無色、透明感あり
ヘミセルロース接着材のような補助役やや黄み、でも目立たず
リグニン接着+紫外線防御の盾紫外線で酸化 → 黄~茶色

リグニンは木の15~30%を占める“天然接着剤”。これが紫外線と酸素に反応して“キノン”という色素に変化し、木材にあの茶色を与えているんです。

ちなみに、木の色の違いはリグニンの量や副成分(タンニンやカテコールなど)のバランスの違いが関係してるんですよ。

紙の“美白大作戦”!リグニンを取り除け!

ステップ1:パルプ化(まずバラバラに)

木材を薬液で煮て、セルロース繊維をばらします。この段階でリグニンの大半が溶け出します。

ステップ2:漂白(残ったリグニンを徹底分解)

  • 過酸化水素(H₂O₂)や二酸化塩素で酸化分解
  • 塩素フリー(ECF/TCF)方式で環境にも優しい

ステップ3:洗浄&pH調整(仕上げの整え)

残渣を水洗いして、セルロース純度90%以上の“白パルプ”が完成!

🧪 化学式で見るとこう リグニン(-O-CH=CH-O-) + H₂O₂ → キノン + H₂O → 洗浄で流される

💡 豆知識:クラフト紙 は漂白せずリグニンを残すことで「強度重視」にシフト!茶色だけどタフ。

“白さの最終兵器” 蛍光増白剤でトドメの一撃!

漂白しても、ほんのり黄ばみが残る……。 そこで登場するのが 蛍光増白剤(OBA) です。

  • 紫外線を吸収 → 青紫光(400nm付近)を放つ!
  • 黄ばみを打ち消し、“目に白く見える”を実現
  • スチルベン系OBAを0.2~0.5%ほど添加

📄 コピー用紙が昼間に青白く見えるのはこの効果!見えない光が働いてるんですね。

木から紙へ――白くなる物語まとめ

ステージやってること
木材リグニンが紫外線で酸化 → 茶色に
パルプ&漂白リグニンを化学分解&洗浄 → セルロースだけに
蛍光増白剤黄ばみ打消し&青紫光で“白く見える”を演出!👍

よくあるQ&A

Q. 再生紙が少しグレーなのは?
A. 古紙に含まれるインク顔料が完全に除去できないため。増白剤で補っても限界あり。

Q. 新聞紙がすぐ黄ばむのは?
A. リグニンを残す“機械パルプ”を使用してるから。しかも蛍光増白剤も少なめ。

Q. 漂白って環境に悪い?
A. 昔は塩素系でダイオキシン問題があったけど、今は塩素フリー方式(ECF/TCF)が主流で安心!

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今日のドヤれる豆知識

「コピー用紙が白いのは、“青紫の光で白く錯覚させてる”って知ってた?」

印刷室でさりげなく披露すれば、知的インパクト大!

参考リンク

  1. Transparent paper: Clearly different – NPG Asia Materials (2009)
  2. Bleaching 101: The Basics – TAPPI Frontline Focus (2006)
  3. Optical Brightening Agents FAQ – Canson Infinity (2020)

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