もし太陽が消えたら?

宇宙

(ざっくり3行まとめ)

  • 太陽が消滅すると、光と重力は”8分20秒”で届かなくなり、地球は公転軌道を離れて”直線ドリフト”へ。
  • 気温は1週間で−17℃、1年で−73℃に。海は瞬時に氷結し、大気も数万年かけて”氷の殻”に。
  • 光合成ストップで生態系崩壊。生命の避難所は「地熱」と「深海熱水域」だけ。

1. “8分20秒”後に始まる異変

  • 太陽から地球までは1億4,960万km。光も重力もこの距離を8分20秒で飛んできます。
  • 太陽が消えた直後、地球は何も感じませんが…
経過時間起きること
0分太陽消滅 → 地球はまだ何も感じない
8分20秒後光と重力が途絶 → 夜空が一気に“星だらけ”に
約1日後放射冷却開始 → 平均気温は0℃へ
約1週間後−17℃ → 海面が凍り始め、植物の光合成が停止
約1年後−73℃ → CO₂が”雪”になって降る
数万年後−200℃以下 → 空気が凍り付き、地球はほぼ真空状態へ

🌑 “昼”が永遠に終わる瞬間、8分20秒で世界は変わる!

2. 急冷のしくみは?

2-1. 地熱だけじゃ足りない!

  • 太陽定数1,361W/m²がゼロに。
  • 地熱はたった0.06W/m² → 全然足りない! → 地球は”放射冷却モード”へ突入。

2-2. 海の下は最後のぬくもり

  • 表層は氷結しても、深海は塩分と水圧で1,000年ほど液体を維持。
  • 熱水噴出孔の周囲には、生命が生き延びられる可能性も!

3. 生き物たちのリミットは?

分野影響の始まり原因
農業1週間光合成停止で作物育たず
畜産1ヶ月飼料枯渇&暖房エネルギーとの競合
漁業3ヶ月プランクトン死滅 → 食物連鎖が崩壊
酸素供給数千年森林や海藻の枯死、酸素の消費が上回る

🔥 地熱・核融合・地下都市…人類のサバイバルにはSFばりのインフラが必要になります!

4. 空と海の“氷結スケジュール”

  • CO₂:−78℃でドライアイス雪に(約1年後)
  • N₂(−210℃)&O₂(−218℃):数万年で氷結 → 空気がなくなる!
  • 海洋:表面は1kmほど氷結、深層は地熱で液体を維持

🧊 地球は”エウロパ”のような”氷殻惑星”に変貌!

5. 地球の未来は“宇宙をさまよう漂流者”?

  • 地球は太陽の重力を失い、秒速30kmで銀河系を直進
  • 約3,000万年ごとに銀河面を上下する「銀河潮汐」運動に巻き込まれる
  • 他の恒星系と接近する確率は極めて低い → フリーク漂流惑星へ

🚀 宇宙の闇を、音もなく進む冷たい地球。なんとも切ない旅です。

まとめ|太陽があることの奇跡

  • わずか8分で光も重力も消える。1年で極寒、数万年で空気まで凍る。
  • 生き残れるのは地熱と深海の限られた“生命のポケット”だけ。
  • 太陽の存在は、奇跡のようなバランスで私たちを生かしてくれている!

🌞 今ある日差しに、今日だけは少し感謝してみませんか?

参考文献

  • NASA JPL. “Global Climate Model without Solar Input.” Tech Memo 2024-05.
  • Pierrehumbert, R. “Principles of Planetary Climate.” Cambridge Univ. Press, 2019.
  • Stevenson, D. “Life-sustaining planets without a star.” Nature 1999, 400(6743):32–34.
  • Spiegel, D. & Turner, E. “Bayesian analysis of wandering planets.” PNAS 2012.
  • Worton, D. et al. “Atmospheric freeze-out thresholds for Earth-like planets.” Astrobiology 2024.

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