街中でよく見かけるハト、なぜあんなに首をカクカク振って歩くのか、気になったことはありませんか?実はあの動き、「生きた手ぶれ補正」なんです!今回はハトの首振り動作を、わかりやすく面白く解説します。
ざっくり3行まとめ
- ハトが首を「前に突き出す → 固定 → 体を追いつかせる」動きを繰り返すのは、視界を静止画のようにキープして、目のブレを防ぐため。
- 頭が静止する「ホールド相」と、次の視界に切り替える「スラスト相」で構成される“フレーム切替方式”。
- 歩行やゆっくり飛ぶ時のみ行い、視覚や平衡感覚が働かない環境ではやらない。
1. ハトの首ふり動作をスローモーションで解説!
ハトの首ふりは「ホールド相(頭ピタッ)」と「スラスト相(頭スッ!)」の繰り返しで構成されます。
動き | 時間 | 目的 |
---|---|---|
ホールド相(頭ピタッ) | 80–120 ms | 網膜の映像を安定させる(シャッターブレ防止) |
スラスト相(頭スッ!) | 20–40 ms | 次のフレームへピント合わせ |
なんと1秒間に約4〜5回もフレーム切替をしているんですね!まさにリアルタイム動画編集です。
2. ハトが首を振る2つの理由
2-1. 視界を超安定!動き検出ニューロンの秘密
ハトが「ホールド相」で頭を止めることで、網膜に映る景色がピタッと静止。すると視覚ニューロンがリセットされ、次の景色をよりクリアに認識できます。まるでスマホの「手ぶれ補正モード」そのものですね。
2-2. 内耳が感知する平衡感覚もカギ
首ふりには、内耳(前庭器官)の平衡感覚も大切。トレッドミル上や真っ暗な環境だと首振りが消えるのは、視覚と平衡感覚がセットで機能しないと、この動きが成り立たないからなんです。
3. ハトはどんな状況で首を振る?
状況 | 首ふり | 理由 |
地上歩行 | ◎ | 常時視界を安定させ、餌や天敵を発見しやすく |
ゆっくり飛行(離陸直後) | ○ | 速度が低く視界の流れが強いため |
本格的な飛行 | ✕ | 空中では体全体で視界を安定 |
暗闇や窓のない環境 | ✕ | そもそも視覚情報がないため |
実は、いつでもどこでも首を振るわけではないんですね!
4. 他の鳥の首ふり事情は?
ハト以外にもニワトリやクジャク、カラスなど地上で採餌する鳥は同様の動きを見せます。一方、フラミンゴやカモメのように水上で暮らす鳥は首振りが控えめ。生活環境や食べ物の違いで、鳥たちもそれぞれのスタイルを進化させているんですね。
5. 人間も実は「ハトの技術」を活用中!
実はハトの首ふり技術は、人間の道具にも応用されています。
- ステディカム・ジンバル:映画撮影でカメラを安定させるために「ホールド相」を再現。
- ドローンFPV:電子ジンバルで「スラスト相」を取り除き、滑らかな映像を撮影。
人間が生んだ最新技術も、実はハトから学んでいるんです!
明日友達にドヤれる一言
「ハトの首ふりって、実は『歩くスタビライザー』なんだって!暗いとこじゃカクカクしないんだよ!」
街でハトを見かけたら、「今ホールドした!」と実況してみましょう。新たな楽しみが増えるかも!?
参考リンク
- Troje & Frost (2000) Head-bobbing in pigeons: how stable is the hold phase? Journal of Experimental Biology, Vol. 203, pp. 935–940 doi:10.1242/jeb.203.6.935
- ハトの首振り行動における頭部の安定性と視覚の役割を実験的に検証しています。
- Necker (2007) Head-bobbing of walking birds Journal of Comparative Physiology A, Vol. 193, pp. 1177–1183 doi:10.1007/s00359-007-0281-3
- 歩行中の鳥類における首振り行動の機能的解釈や、なぜ一部の鳥がこの行動を行い、他の鳥は行わないのかについて考察されています。
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