嬉しい時や悲しい時に流れる涙。なぜ涙が「しょっぱい」のか、考えたことはありますか?実は、涙はちょうどいい塩分濃度の「ミニ海水」だったんです!今回は涙のしょっぱさについて、ユーモアを交えて分かりやすく解説します。
ざっくり3行まとめ
- 涙には約0.9%の塩分が含まれ、これは目を守り、殺菌するための最適な濃度。
- 涙がしょっぱい理由は、ナトリウムイオンが舌の塩味受容体を刺激するから。
- 涙の塩分濃度は生理食塩水と同レベルで、目にしみないよう絶妙に調整されている。
1. 涙の中身をチェック!塩+たんぱく質+水の秘密
涙は単なる水ではありません!主な成分は水(98%)、塩(Na⁺ / Cl⁻)、たんぱく質(リゾチーム、ラクトフェリン)です。
成分 | 働き |
---|---|
水(98%) | 角膜への酸素供給・潤いを与える |
Na⁺ / Cl⁻(約120–140 mM) | 浸透圧の調整・角膜保護・殺菌 |
リゾチーム(1.5 mg/mL) | 細菌の細胞壁を破壊して殺菌 |
ラクトフェリン(1.4 mg/mL) | 細菌から鉄を奪って抗菌作用 |
K⁺ / Ca²⁺(数 mM) | 角膜の修復をサポート |
実はこの絶妙なバランスのおかげで、涙は目を守る「万能液」となっているのです。
2. しょっぱい理由=舌が敏感なナトリウム探知機!
涙の塩分は「ナトリウムイオン(Na⁺)」が主役。このNa⁺が舌の塩味受容体「ENaC」を刺激することで、あの独特なしょっぱさを感じます。実は涙1 mLに塩は約9 mgと少量ですが、舌先では十分しょっぱく感じる濃さなんです。
3. 涙がほどよくしょっぱい理由
涙がちょうど良い塩分濃度を保つ理由は大きく3つ。
- 浸透圧バランス維持:角膜と同じ浸透圧(300 mOsm)を保ち、腫れや乾燥を防ぐ。
- 抗菌効果アップ:適度な塩分で細菌の増殖を抑制。
- 涙液膜の安定化:油層・水層・ムチン層の3層構造が崩れないようサポート。
まさに目の表面を守る最強バリアですね!
4. 涙の塩分が乱れるとどうなる?
涙の塩分濃度が崩れると、目には様々なトラブルが発生します。
状態 | 塩分濃度 | 影響 |
ドライアイ | 高くなる | 浸透圧が上がり、目がしみる |
失水症 | さらに高く | 涙が濃縮され、刺激が増加 |
低ナトリウム血症 | 低くなる | 殺菌力が低下し、感染リスク上昇 |
涙の塩分バランスは、目の健康を保つ上で非常に重要なのです。
5. 涙と海水の違いって?
海水の塩分濃度は約3.5%で、涙の約4倍もあります。海で泣いてもしょっぱさは海水が圧勝!ちなみに魚の目は、高塩環境に適応しているので、粘液と厚い角膜でガードされています。
明日使える豆知識
「涙がしょっぱいのは、実は目を守るためなんだよ。涙はミニ海水って言われてるくらい塩分が絶妙なんだ!」
これで次に涙を流すとき、少しだけ科学的な気分になれるかもしれませんね。
参考文献
- Tiffany JM. “The Normal Tear Film.” Dev Ophthalmol. 41 (2008): 1-20. DOI: 10.1159/000131066
- Bruszel B et al. “Sources of Variance in Human Tear Proteomic Samples.” Int J Mol Sci. 25 (3): 1559 (2024). DOI: 10.3390/ijms2503155
- MedlinePlus. Sodium in diet
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